概説
企業の唯一かつ最大の目的は利益追求であるという前提が崩れ、企業の「パーパス」の問われる今、いかに企業がそのパーパスを実現できるのか、するべきなのか?
イギリスの老舗企業であるMars社がオックスフォード大学のサイード・ビジネススクールと組んで、2020年に立ち上げたEconomics of Mutuality(EoM)が提唱するのは、企業が追求すべきはEconomics of Mutuality―企業の経済活動に参画もしくは影響を受ける人々が「相互に利益を受ける」というmutuality(相互性)にもとづく経済です。
Mars社のチーフエコノミストでEoMプラットフォームの創設者であるBruno Rocheがサイード・ビジネススクールのColine Mayersと編集した「Putting Purpose into Practice : The Economics of Mutuality(パーパスを実践に:The Economics of Mutuality)」は、EoMの思想と概念と、その実践のための手引きを網羅した、EoMの理解には必読の一冊です。
本ページでは、その中からRocheとMayerによる序章の全訳を紹介します。企業がEconomics of Mutualityを実現するには、自らの活動領域を法的に定められたものから広げ、非財務的な資本を「相互」損益に組み入れることであると説きます。EoMとは何か?そのエッセンスが詰まっているのがこの序章です。
キーワード
パーパス
EOM
担当リサーチフェロー
SIMI GRCチーム