概説
2015年国連は、世界共通のゴールである持続開発可能な開発目標(SDGs)を設定し、人類と地球にとって非常に重要な17分野169のターゲットを定めました。これらの野心的な目標を達成するには、大規模で構造的な変革を起こすことが必須であり、企業は長期的な目線で効率的で持続可能なソリューションを提供する重要な役割が求められています。 一方で、企業のポジティブな、またはネガティブなインパクトを適切に理解するための情報や指標はまだ定められていません。
そこで、2018年に国連財団、イギリス保険大手会社Aviva、オランダNGOのIndex Initiativeによって設立されたのが、ワールド・ベンチマーキング・アライアンス(World Benchmarking Alliance、以下WBA)です。WBAは、世界企業大手のSDGs達成貢献度を評価する新たなランキングなどを発表していくことで、民間企業の取り組みを後押ししています。
WBAでは、SDGsを達成するために必要な構造的変革を7つの領域に定め、日本企業を含む、主要なプレイヤーとなる企業群(キーストーン企業)2,000社を特定し、各企業のパフォーマンスを評価するためのベンチマーク指標を、2023年までに開発する目標を掲げています。これは、企業のSDGs貢献度を測るベンチマーク指標を設定することで、誰もが簡単に企業を比較することができるようになり、その結果各企業がSDGs達成の貢献度合いを競い合うようになるという考えに基づいています。
本レポートでは、このWBAの開発するベンチマーク指標の基となる、7つの領域における構造的変革(トランスフォーメーション)について、それぞれがどのようなものなのか、そしてどのような過程を経て導き出せるものなのかについてまとめています。本ページでは、日本語のまとめ資料をご紹介していますが、写真やグラフ等のビジュアル資料が豊かなレポートですので、英語原文もあわせてご活用ください。
キーワード
Seven systems transformation
WBA
SDG
担当リサーチフェロー
原祥子