社会的インパクトとは
「社会的インパクト」の定義
社会的インパクトとは、「短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム」のことです。
※この定義は、内閣府による「社会的インパクト評価の推進に向けて―社会的課題解決に向けた社会的インパクト評価の基本的概念と今後の対応策について―」(平成 28 年 3 月)の定義を踏襲しています。
上記の定義からわかるように、SIMIにおいては、「社会的インパクト」の用語をプログラム評価における「アウトカム」とほぼ同義で使ってます。似たことばに「アウトプット」があります。この2つのカタカナ用語をしっかり区別しておくことは重要です。
社会的インパクトの特徴として、4つのポイントを挙げています。
- 長期的な結果のみではなく、短期でも変化は生じる。
- 大規模な取り組みによるものだけでなく、小規模のものや一人の心理的変化なども含む。
- 数値化(定量化)されたものだけでなく、定性情報でも表すことができる。
- ポジティブな変化だけでなく、ネガティブな変化も含む。
「アウトカム」とは?
事業や取り組みのアウトプットがもたらす変化、便益、成果のことです。事業や取り組みの実施後の直接、間接の影響として、受益者やその周辺や関係者、または取り組みのターゲットに現れてくる変化を指します。受益者であれば、知識・意欲・行動・態度・スキルなどの変化、制度であれば政策変更などがあります。
(例)
対象/当事者 | 事業や活動 | アウトカム(成果) |
---|---|---|
子ども | 子ども食堂 | (短期)栄養を摂取、幸福感 (長期)病気の予防、健全な成長 |
自然・植物 | 山道整備、登山者へのガイダンス | (短期)植物の保全 (長期)生物多様性の確保、水源の保全 |
「アウトプット」とは?
組織や事業の活動(アクティビティ)がもたらすサービスなど、直接生じるもの。
事業や取り組みの成果(アウトカム)の有無に関わらず、状態や数字で表されるもの。
例)活動回数、活動期間、参加者数・属性、配布された資料の数や質、参加者に生じる状態など
- ■アウトカム(成果)
- ・変化(気持ちの変化、行動の変化)
- ・便益(環境が整い可能になること)など
- ■アウトプット(直接の結果)
- ・活動回数
- ・参加者数
出典:インパクト・マネジメント・ラボ 社会的インパクト・マネジメント研修「基礎コース」資料より抜粋