社会的インパクト・マネジメントとは
以下は、SIMIが発行した社会的インパクト・マネジメント・ガイドラインver.2(2021年3月公開)から抜粋したものです。
「社会的インパクト・マネジメント」の定義
社会的インパクト・マネジメントとは、事業や取り組みがもたらす変化や価値に関する情報を、各種の意思決定や改善に継続的に活用することにより、社会的インパクトの向上を目指す体系的な活動のことです。
「社会的インパクトの向上」には、事業や取り組みによって質的・量的に表現される正の社会的インパクトを向上させることと、負の社会的インパクトを低減させることの両方が必要です。また「各種の意思決定」は、事業や取り組みの実施、実施体制の構築と運営、資金提供等を通したそれらへの支援などの際の意思決定を指します。
「社会的インパクト・マネジメント」の目的
社会的インパクト・マネジメントの実践は以下を目的にしています。
- 1)事業や取り組みがもたらす変化や価値に関する学びを得ることで、よりよい意思決定や改善を生み出していくこと(意思決定と改善)
- 2)さまざまなステークホルダーが目的に応じて事業や取り組みの進捗状況や社会的インパクトに関する情報を入手し、意思決定や改善のプロセスに参加すること(参加・協働の促進)
- 3)社会課題解決や社会価値創造を進展させ、またそのための知見の蓄積に貢献すること(課題解決・価値創造への貢献)
「社会的インパクト・マネジメント」の実践
上記の目的を達成するため、社会的インパクト・マネジメントは、基本的には「インパクト・マネジメント・サイクル」を回し、そこに評価の諸作業を組み込むことによって、実践が可能になると考えます。
インパクト・マネジメント・サイクル
「インパクト・マネジメント・サイクル」は事業を運営する際のマネジメント・サイクルの一種で、以下の 4 つのステージとそれを支える 1 つの要素から構成されます。
- 第1ステージ:計画 (Plan)
- 第2ステージ:実行 (Do)
- 第3ステージ:効果の把握(Assess)
- 第4ステージ:報告・活用(Report & Utilize)
上記の目的を達成するため、社会的インパクト・マネジメントは、基本的には「インパクト・マネジメント・サイクル」を回し、そこに評価の諸作業を組み込むことによって、実践が可能になると考えます。
社会的インパクト・マネジメントの実践者
社会的インパクト・マネジメントを実践するのは、何らかの社会課題解決や社会価値創造を目的とした事業や取り組みの運営に携わる人、団体、それに関わる各種支援者(資金提供者を含む)です。さらに、評価者、事業対象者・受益者を含むさまざまなステークホルダーが、その実践に関与することが想定されます。これらの人々が関わることにより、事業や取り組みへの関わりのオーナーシップも広がって行きますが、同時に、考え方や取り組みへのアプローチで多様な意見が出てくることが予想され、事業者の柔軟性が必要不可欠になります。