コラム

アウトカムの因果関係

ロジックモデルにおいては、活動→アウトプット→アウトカムと矢印でつながれた項目のあいだに「だからどうなる」という因果関係を想定しています。例えば、XXの分野において、「○○○」という活動(事業活動)の直接の結果として、「○○○」というアウトプットが生じ、それによって「○○○」というアウトカム(成果)が生じると考えます。そして、アウトカムにも「初期」「中期」「長期」とあるように、それぞれの間で「だからどうなる」の因果関係を考え、相互のつながりを図式化することによって、事業の最終目標がいかに達成されるかをロジックで示すことになります。

ところが、世の中の事象は、必ずしもこのような直線的な因果関係で説明できるものは少なく、ロジックモデルはあくまでも「だからどうなる」を整理して単純化するためのツールだということを意識することが必要です。昨今では、複雑系の理論やシステム理論の知見を得て、評価理論の中にも、構成要素の相互依存性、エマージェンス論、非単線系の変化などを評価の実践に取り入れようという動きが加速しています。セオリー・オブ・チェンジ(変化の理論)は、ロジックモデルも包含する変化のロジックをより幅広い観点から捉えるモデルとして使われており、そこでは、事業を直接構成する要素のみならず、間接的に関係する要素も視野に入れ、それらの間の因果関係を逆進性や再帰性も含めて考える場合が多くなっています。

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