コラム
インパクトの評価の考え方
よく知られている評価の手法に「インパクト評価」があります。これは、事業実施の対象となったグループ(介入群)に対して、その対比先となる、介入を行わなかった対照群との比較をすることにより可能となります。これは、介入によるインパクトを特定するためには、介入を行わなかった場合の状態との比較をする必要があるとの考え方に基づくものです(コラム「インパクト評価について」参照)。
しかしながら、多くの事業評価においては、この介入群と対照群を準備しての比較に基づいた評価は大がかりなものになり、あるいは倫理的な問題から介入を行わず、観察のみを行う対象者を設定することが現実的ではない場合もあるかもしれません。そのような場合には、例えば介入前の状態や、あるいは類似のプログラムでのインパクトを「ベースライン」とした比較をすることで、疑似的にインパクトをとらえることが可能となります(コラム「ベースラインデータとの比較と要因分析」参照)。