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「国際指標データベース IRIS+を活用した社会的インパクト・マネジメント実践ワークショップ」を開催しました。
2021年3月26日(金)、GIIN(Global Impact Investing Network、米国)のIMM(Impact Measurement & Management)責任部署のお二人をゲストにお招きし、「国際指標データベース IRIS+を活用した社会的インパクト・マネジメント実践ワークショップ」をオンラインで開催しました。金融機関や財団、企業などでインパクト投資や社会的インパクト評価に携わる14名のご参加がありました。
GIINは2009年にインパクト投資家のネットワークとして設立され、これまで社会的インパクト評価の指標データベース構築において、グローバルに主導的な役割を果たしてきました。2019年5月には、前身のIRISをアップデートし、社会的インパクト評価のツールセットであるIRIS+を公開しています。本ワークショップでは、IRIS+の概要や使用方法を学んだ上で、実践事例をもとに、IRIS+導入の要点や課題などを議論しました。
開催に先立ち、SIMIの代表理事・今田克司と、モデレーターの伊藤健(SIMI業務執行理事、特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン代表理事)よりSIMIのビジョンや、事業概要、メンバーシップ制度などを紹介した上で、GIINのお二人によるセッションに移りました。
IMMとIRIS+の概要
最初にLeticia Emme氏(Senior Manager, IRIS AND Impact Measurement & Management)より、300以上の投資家の実践コミュニティであるGIINの概要が紹介されました。GIINはIRIS+をはじめ、IMMのツールやガイドライン、リソースを提供しており、6大陸30,000人にのぼる個人投資家のエコシステムを形成しています。また、Leticia氏からは、IMMとは投資がどのように人々や地球に影響するか考えるものであり、ポジティブなインパクトを最大化し、ネガティブなインパクトを最小化するためのプロセスであると説明がありました。その上で、WHY・WHAT・HOWという3つの視点からIMMの説明がありました。
- 【WHY】GIINの調査によると、投資家がIMMを行う理由として、「インパクトを生み出すため」、「ビジネスの価値を捉え、潜在的な可能性を引き出すため」などが上位の理由に挙げられています。
- 【WHAT】IRIS+を利用者している調査対象者の91%がアウトプット、78%がアウトカムを測定しています。また、投資家は個別の投資から、ファンド、投資テーマまで様々な段階でインパクトのターゲットを設定しています。
- 【HOW】①ゴールや戦略の設計、②指標とターゲットを設定、③結果の測定、④学習・調整・改善・コミュニケーションという4つのステップから構成される、IMMサイクルで実施します。
また、続くセッションでは、Grace Earle氏(Senior Associate, IRIS AND Impact Measurement & Management)から、IRIS+を使用するデモがありました。IRIS+は2019年5年に公開されていから14,000ユニークユザーがおり、8,500の会社や個人により利用されている、インパクト投資家によって最も使われているインパクトパフォーマンス評価のツールです。
当日議論のあった点の紹介(一部抜粋)
本ワークショップでは、参加者の皆さまから多くの質問が挙げられました。グループディスカッションや質疑応答で挙げられた議論の一部を紹介します。
【質問】IRIS+では投資先の事業内容に該当するカテゴリーが見つけられなかったが、どのように指標を選べば良いですか。
【回答】カテゴリーやSDGsゴールなどで指標を絞り込みができる「IRIS Catalog of Metrics」のページで、関連する指標が見つかるかも知れません。また、GIINがあるThe Navigating Impact Projectにも指標がありますので、参考になると思います。
【質問】IRIS+は定量的評価のみを扱っていますか。
【回答】IRIS+の指標は定量的なものだけではありません。ステークホルダーにとっての重要性や環境ポリジーの有無、研修の実施など、これらの指標は投資家がインパクトを追跡することを手助けしますが、これらは必ずしも定量的である必要はありません。ただし、エビデンスにもとづくものであることが重要です。
【質問】IRIS+はアーリーステージのビジネスによるインパクトを評価する際に使用できますか。
【回答】IRIS+は特定のビジネスステージに特化されたものではないため、アーリーステージでもより成熟したステージでも、どの段階でも使えます。重要なことはどのような達成目標を設定しているかです。指標は同じであっても、アーリーステージの達成目標と、事業開始後の達成目標は調整する必要があります。また、その企業へ投資を続けていたら、サービスを提供する段階のベースライン調査と、その後のパフォーマンスを比較して、インパクトを測定することもできます。
一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニチアチブ(SIMI)では、今回のワークショップのように、エンゲージドメンバーを対象に、定期的にワークショップや情報交換会を実施しております。ご関心のある方は、下記ページよりご覧ください。
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【本ワークショップの開催パートナー】
独立行政法人国際交流基金日米センター、一般財団法人 社会変革推進財団
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