コラム
社会的インパクト志向宣言を実行可能なものにするために
社会的インパクト志向宣言に基づいた取り組みの実践をしていくには、以下の内容を意識することが有用と考えます。そのために、情報交換や学びを促進させるための場やコミュニティを持つことも役に立ちます。
A. 社会課題を的確に捉えて、生み出すべき成果を定義しましょう
事業・活動によってどのような社会課題に取り組もうとするのか(課題解決)、いかなる新しい(あるいはそれまで顧みられなかった)価値を提示するのか(価値創造)を明確にしましょう。いきなり成果(何を達成しようとするのか)から考えるのではなく、課題(何が問題なのか)から考えることが重要です。事業や活動を考える際に、まず、社会課題が生まれる原因や現状の変化を阻む構造を把握して、そこから成果を定義するようにしましょう。
B. 多くの人を巻き込み、対話や協力関係を築きましょう
社会課題解決や社会価値創造は、一部の人がなすものではありません。多くの⼈が取り組みに参画できる仕組みをつくることが必要です。また課題に関わる主体を増やすこと、その主体の多様性を高めることも、社会課題が発生しない仕組みづくりにおいて、非常に重要であると考えます。また、自団体での取り組みは、しっかり報告し(報告書、勉強会や活動報告会、インターネット上で発信することなど)、広く関係者に共有し、より多くの対話や協力関係の構築につなげていくことも大切です。
C. 既存の知見を最大限活用しましょう
社会課題解決や社会価値創造に関する事業・活動をはじめる前に、「果たして自分たちがこの課題に気づいた最初の人々なのだろうか?」と考えてみてください。インターネットなどで他団体の実践や研究を調べたり、行政や専門家など当該課題に詳しそうな人・団体に聞いてみましょう。一度立ち止まって、このステップを踏むことが、既存の知見の活用とより良い事業の実践につながります。