コラム ロジックモデル

文化芸術事業の内在的アウトカム、社会的アウトカム、教育的アウトカム、 経済的アウトカム

文化芸術事業に関しては、まずプログラムが実施されます。その価値によってその後、社会的インパクトが変化します。Kailら(2015 )によると、文化芸術の活動に参加した個人の経験や、そこで生まれた文化芸術活動と鑑賞者の個人的なつながりを、文化芸術の内在的アウトカムとしています。そして、そこから生まれるアウトカムを、教育的アウトカム、経済的アウトカム、社会的アウトカムと定義しています。*¹

今回は事業自体の芸術としてのコンテンツの質から生まれる、鑑賞者の個人的体験自体については簡単に触れるに留め、その事業が社会において、どのようなインパクトを持ちうるかという点に重点を置き、ロジックモデルを構築します。

なお、教育的アウトカムは知識、スキル、能力の変化を伴うものです。また、経済的アウトカムは、アート活動に対する消費、アート領域の雇用、地域経済の発展を引き起こすものです。そして、社会的アウトカムはコミュニティの変化、個人や家族のウェルビーイングの変化を生み出すものとします。

 本評価ツールでは具体的に、アウトカム例を分類することはしませんが、芸術活動の内在的アウトカムを踏まえて、そこから教育的アウトカム、経済的アウトカム、社会的アウトカムを生み出すストーリーを検討すれば、より具体的に個別事業のアウトカムを想定し、ロジックモデルを作成することができます。

 事業のストーリーを明確化した上で、何を指標とし、アウトカムを測定するかを明確にするため、どの分類のアウトカムをロジックモデルに含むかはケースによって検討してください。

*¹ Angela Kail, Lynn Simmonds and Sally Agwell. (2015). The Art of philanthropy; Making the most of your giving to the arts, New Philanthropy Capital.

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