SIMIからのお知らせ セミナー・イベント情報

金融庁・環境省を中心とした社会的インパクトにまつわる政府の動き

2021年5月25日(火)、水口剛氏(高崎経済大学学長、SIMI評議員)をゲストとしてお招きし、第2回社会的インパクトマネジメント情報交換会「社会的インパクトにまつわる政府の動き〜金融庁、環境省の動向を中心に」を開催しました。

まず冒頭では、モデレーターの今田克司(SIMI代表理事)の進行のもと、水口氏より環境省主催の「ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース」の発足の経緯やねらいを解説いただきました。2015年から始まった「持続可能性を巡る課題を考慮した投資に関する検討会(ESG 検討会)」をきっかけとして、2018年には金融業界の代表者が議論を行う「ESG金融懇談会」が始まりました。2019年には、当懇談会が発行した提言書にもとづき、金融・投資分野の各業界トップと国が連携し、ESG金融に関する意識と取組を高めていくために議論と行動を行う場として「ESG金融ハイレベル・パネル」が設置。こうした流れを受け、より具体的な議論を進めるために、ハイレベル・パネルに本タスクフォースが立ち上げられ、ポジティブなインパクトを生むことを意図する金融の普及に向けての議論が進められています。2020年には、本タスクフォースにより、「インパクトファイナンスの基本的考え方」「グリーンから始めるインパクト評価ガイド」が発表されています。

続いて、金融庁の動向として、「インパクト投資に関する勉強会」と「サステナブル・フイナンス有識者会議」を中心に見ていきました。GSG国内諮問委員会共催である「インパクト投資に関する勉強会」は、GSGとしてインパクト投資の理解を広めていこうという位置づけにあります。当初はインパクト投資の理念的な議論を重ねてきましたが、現在はPEや株式・債権におけるベスト・プラクティスをもとに議論しており、インパクト投資に中心的に携わる人たちが一同に介して話し合う場となっています。一方、「サステナブル・ファイナンス有識者会議」は、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すという宣言をきっかけ、金融を中長期的にサステイナブルなものにしていこうと意図のもと、議論を行っています。

水口氏からの話題提供を受けてのグループディスカッションや全体ディスカッションでは、「金融庁や環境省など各省庁の連携はどのように行われているのか」や「地域金融機関はどのように実践をしていけるのか」、「国際的なルールメイキングに日本はどのように携わっていくべきか」などの論点が挙げられました。水口氏からは「あらゆる金融において、社会課題を解決しないと生き残れないという動きがに起きているからこそ、世界でサステイナブルファイナンスが注目されている。そうした流れは見えているので、政府の枠組みや判断を待っているのではなく、民間が率先して動く必要があるのではないか」という投げかけがありました。

また、最後のまとめとしては、水口氏より、インパクト投資を巡る議論においては、環境だけではなく、ジェンダーや経済格差、人権問題など様々な視点を含め、これから考えていくべきものが多くある中で、参加者もそうした議論を一緒に携わっていってほしいとのメッセージがありました。


【社会的インパクトマネジメント情報交換会について】

SIMIでは、2021年4月より、当法人のエンゲージド・メンバー向けに、社会的インパクトマネジメントに関わるトピックに詳しいゲストをお招きし、情報交換会を毎月1回開催しています。
メンバーシップ制度の詳細はこちら

本勉強会は、通常はエンゲージド・メンバーの方のみに参加いただける会ではありますが、2021年4月~6月の3回においては、SIMIがどのような団体なのか、どのようなトピックを取り扱っているのか等を知っていただく機会となるよう、エンゲージド・メンバー以外の方もご参加いただけることとなりました。

次回の情報交換会は、2021年6月24日開催予定です。第3回情報交換会「社会的インパクト・マネジメント・ガイドラインVERSION2解説会〜社会的事業の効果的な推進に向けて」の概要についてはこちらをご覧ください。SIMIの活動内容にご関心のある方や、エンゲージド・メンバーへの登録をご検討の方はぜひご参加ください。

また、SIMIでは毎月社会的インパクト・マネジメントに関するイベントや参考情報を配信しています。ニュースレターは、下記フォームから登録することができます。
http://eepurl.com/hwIYuH

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