Social Impact Day2023 SIMIからのお知らせ
インパクトを社会づくりの真ん中に〜Social Impact Day 2023 を終えて
SIMI代表理事 今田克司
2023年2月1日~3日の3日間、SIMIにとって7回目の年次イベントとなる、「Social Impact Day2023」を開催しました。今年のテーマは「新しい社会経済の形〜インパクト・エコノミーの社会実装」。2月15日に行われたエンゲージドメンバーの振り返り会でも、参加者の一人から、「昨年は社会的インパクトに追い風が吹いている感じだったが、今回はそれが社会の真ん中に来ている。」という感想がありました。インパクトを社会づくりの理想として語る時期を経て、いよいよこれが大小さまざまな取り組みにおけるエンジンとして社会を動かすものになりつつあると感じています。
理想から実践へ
「Social Impact Day2023」の登録者総数は630名で、オンライン開催となってから、一昨年、昨年の登録者数とほぼ同じとなりました。
冒頭、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役でSIMI評議員でもある渋澤健さんより、現政権の「新しい資本主義」の呼び声や昨年5月のいわゆる「骨太の方針」でインパクトに対する言及があったことが触れられ、一年前と比べて社会全体でこの分野の進展があったことを確認するオープニングとなりました。
続けて基調講演では、インパクト投資の父と呼ばれるロナルド・コーエン卿(インパクト投資グローバル運営委員会(GSG)会長)と藤沢久美氏(株式会社国際社会経済研究所理事長)が登壇し、コーエン卿からは、「インパクト革命」と呼べる大きな動きが世界を席巻しつつあるという言明がありました。日本でもコロナ禍を経て、働き方や生活の仕方含め、サステナビリティ志向が高まりつつありますが、世界では特に未来の働き手としての若い層や消費者の間で大きな価値観の変化が表出しており、それを投資家が注目せざるを得ない状況になっているという説明が加えられました
藤沢氏からは、SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資が注目される中で、インパクトが政府、企業、非営利といったセクター横断の共通言語として育ちつつあるという観測が共有されました。社会的インパクトにまつわる一連の枠組み、すなわち目標設定、事業運営での活用、指標の設定と計測、報告等、インパクトは大きな考え方にとどまらず、実務に落としていくための具体的方法を提供しています。これを活用し、特に日本企業が持続可能な社会に向けて具体的にどのようなストーリーを構築し、語り、実践していくかが問われているという問題提起がありました。
社会基盤、実践モデル、アクター
まさに今年の Social Impact Day のテーマである「インパクト・エコノミーの社会実装」が起こりつつあることを裏打ちするキーノート(基調)の設定を受けて、その後の2日半の15のセッションで、これを社会基盤、実践モデル、アクターの3つの角度から深堀りする試みが続きました。
国連開発計画(UNDP)が推進するSDGインパクト基準、日本政府も新たな規制を策定しているサステナビリティ開示基準と人的資本、企業の社会性を認証する民間ラベルとして知られている「B Corporation」とこれが世界で広げているムーブメントなど、国内外で企業や組織のあるべき姿の路線変更を迫る取り組みが進行しつつあります。また、上場株投資におけるインパクトの追求、協会が昨年設立されたインパクト・スタートアップ、行政や非営利組織におけるインパクト・マネジメントなど、社会を担う多様なセクターでインパクトを内在化する取り組みも進んでいます。そして、SIMIが行っているインパクト・アナリスト研修、Z世代の経営者が考える成功の形、インパクト・キャリアを積むアクターなど、個人として、インパクトを仕事の中心で考えようという人々も増えています。
以上のようなトピックを網羅して、参加者のみなさんと共有できたことは、今年の Social Impact Day の大きな収穫でした。
G7サミット、そして後戻りできない世界へ
基調講演でコーエン卿が発言していたように、2023年は日本が主要国首脳会議(G7サミット)の議長国となる年であり、社会的インパクトについて日本政府がどのような表明するか、社会全体としてどのような動きを見せるのかに世界の注目が集まっています。昨年のSocial Impact Dayが歴史のピボット(転換点)を後付けるものであったとしたら、今年はすでに後戻りできない世界で歩みを進める多くの人々の姿をお伝えするSocial Impact Dayになったと思います。
今後とも、新しい経済社会の具体的な実践づくりに向けて、皆さんとともに歩んでいきたいと考えています。
「Social Impact Day2023」は、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)との共催で開催し、協賛企業として株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社かんぽ生命保険、&PUBLIC株式会社、インパクトサークル株式会社、株式会社クレディセゾン、株式会社プレイド、株式会社博報堂よりご支援をいただきました。また、国連開発計画(UNDP)、独立行政法人国際交流基金、GSG国内諮問委員会、金融庁よりご後援をいただきました。ご協力いただいた方々、そしてご参加いただいたみなさまにあらためてこの場で感謝申し上げます。
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