3章 社会的インパクト・マネジメントの実践とは
4節 社会的インパクト・マネジメントの実践者
社会的インパクト・マネジメントの実践者
社会的インパクト・マネジメントの実践者、すなわちインパクト・マネジメント・サイクルを「誰が」回すのかについて考えてみましょう。これにはいくつかのパターンが考えられますが、基本は、サイクルを回すのは事業者自身(事業や取り組みの実施を担う組織)です。そして、事業者自身が4つのステージにおいて必要なタスクを十分にこなすためには、直接の事業担当者(部署、チーム、個人)が自力ですべてをやろうとするのではなく、組織内部の役割分担、タスクごとに必要な能力開発、マネジメント・トップのサポートが必要不可欠な要素となります。そして、サイクルを効果的に回していく力量が組織内部にない場合は、事業者の外部より、支援を求めることが望ましいと考えられます。
外部からの支援が必要かどうかを考える際、特に次のような専門性が組織内部に存在しているかをチェックしましょう。
- 社会的インパクトのデータの収集や分析が的確に行えるか:社会調査手法、数量分析の統計的手法、アンケート作成や分析における定性情報の扱い、定性情報の定量情報への変換等。
- 受益者や関係者の巻き込みや関係構築が的確に行えるか:参加型または協働型評価、ファシリテーション能力など。
- 気づきと学習を小さなサイクルで意思決定に活用するノウハウがあるか:発展的評価など。