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【開催報告】インパクト・アナリスト特別セミナー ─ いま押さえるべき日本のインパクト・ファイナンス最前線 ─

プログラムのハイライト

セミナー趣旨

SIMIでは、社会課題解決や価値創造を担う資金提供者・金融実践者の育成を目的に、2022年度よりインパクトアナリスト研修を継続してきました。本セミナーでは、研修を通じて蓄積された知見に加え、研修実施当時から大きく変化したインパクトファイナンスの制度・市場・思想的背景を俯瞰し、次のフェーズに向けた示唆を提示しました。

1. 最新動向アップデート
日本・グローバルのインパクトファイナンスをめぐる潮流

冒頭では、SIMI代表理事・今田より、以下に示すような直近1〜2年のインパクトファイナンスを巡る主な動向が紹介されました。日本においてインパクトファイナンスが点から面へと広がりつつある段階に入っていることが示されました。
・国交省・中小企業庁・農林水産省などによる制度整備の進展
・SSBJ、TNFD、TISFDなど開示・基準をめぐる国際的動向
・GPIFによる「インパクトを考慮した投資」実装に向けた調査開始
・インパクトスタートアップやB Corpの国内拡大
・大手金融機関によるインパクト志向のレポーティング・指標開示

2. 対談:インパクトエコノミーの時代

ESGバックラッシュとインパクトファイナンスの現在地

続く対談では、三井住友信託銀行・金井氏、りそなアセットマネジメント・松原氏を迎え、「ESGバックラッシュ」と「インパクトファイナンス」の違いと可能性が議論されました。
・ESGは概念の曖昧さゆえに政治的・思想的対立の標的になりやすい
・インパクトファイナンスは、課題・介入・成果の因果関係を可視化できる点が強みである
・金融資本主義は「見える価値」中心のOSから、「意図(インテンション)」を内在化した新しいOSへ移行しつつある
・インパクトファイナンスのこれからを語る上で生成AIは欠かせない
・インパクトファイナンスの最大の阻害要因は反対ではなく「無関心」であり、対話と共通言語の設計が重要

インパクトファイナンスは単なる手法ではなく、金融の価値観そのものを更新する試みである、というメッセージが印象的でした。

3. 実践報告:インパクトアナリスト・アルムナイ登壇

実践報告では、高崎経済大学・水口氏をモデレーターとして迎え、研修修了生として日本民間公益活動連携機構(JANPIA)・宮内 満理 氏、ジェネシア・ベンチャーズ・宮原 綾子 氏、カディラキャピタルマネジメント・清水 裕 氏の3名から、それぞれの立場からの実践事例を共有いただきました。

共通して語られたのは、インパクト志向は対話と意思決定の共通言語であるという実感でした。また、インパクトファイナンスを推進する上で、担い手のインテンションは育てられるということが実感をもらって語られたことも印象的でした。

4. クロージング:今後に向けて

最後に、インパクト思考金融宣言(IDFI)の安間氏より、現在組織内で検討中という前置きをしつつ、今後の人材育成・エコシステム形成に向けた以下のような展望が共有されました。

・実務者向けオンデマンド教材の整備
・少人数・実践重視の学習コミュニティの展開
・経営層のインテンショナリティ醸成の仕組みづくり

まとめ

本セミナーは、日本のインパクトファイナンスが制度・市場・思想の三層で次の段階に入りつつあることを確認する場となりました。インテンションの明示、共通言語としてのIMMや因果関係の可視化、そして金融に「意図」を組み込む試みは、今後の実践において一層重要になると考えられます。

本セミナーの参加者からは、「ここ1~2年の動きや、同じアルムナイの方のその後の活動を知れたことが学びになりました」(研修修了生)、「金井様のESG投資とインパクト投資の根本的な違いに関するお話や、AIがインパクト投資にもたらす(かもしれない)影響に関するお話が印象に残りました。」、「IMMには正解がないため、インパクトアナリストの皆様は日々もがきながらご対応されていることと拝察します。本当に頭が下がる思いです。 私もこのインパクトファイナンス市場に質的にも量的にも貢献できるよう邁進してまいります。」などの感想をいただきました。

SIMIでは、今後も様々な活動を通じて、インパクトエコノミーの実装を支える人材と知の循環を育んでいきます。

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