SIM:取り組み事例

2021年02月09日

【取り組み事例】 特定非営利活動法人おっちラボ

■カテゴリ

事業分野 地域活性化
事業開始年

2015年(雲南ソーシャルチャレンジバレーの名称は2019年から

組織形態

雲南市・民間企業・NPO等による協議体 (任意団体)

組織規模  -

■基本情報

事業名称 雲南ソーシャルチャレンジバレー構想
実施地域 島根県雲南市
事業概要

目指すインパクトとして「チャレンジの連鎖による持続可能なまちづくり」を掲げ、「子どもチャレンジ」「若者チャレンジ」「大人チャレンジ」「企業チャレンジ」の4つのチャレンジから成る構想

運営団体

雲南市、市内外の企業、各種団体、市民

事業URL

雲南チャレンジ(子ども・若者・大人)

http://www.co-unnan.jp/about-challenge.php

雲南ソーシャルチャレンジバレー構想(ETIC 社会課題解決中ウエブサイト記事)

https://2020.etic.or.jp/actions/unnan/

■社会的インパクト・マネジメントの概要

はじめたきっかけ

当初から「チャレンジの連鎖による持続可能なまちづくり」を掲げ、地域内にインパクトを出していこうと意識していた。

実践内容

子どもチャレンジ、若者チャレンジ、大人チャレンジ、企業チャレンジの4つのチャレンジそれぞれでKPIを設定してモニタリング。また、各チャレンジで事例を作り、インパクトにつなげていくために、ファシリテーターの参画を得ながら、継続的な議論を通じて戦略を推進。

取り組んでよかったこと
  • 「わくわく感」とか「カオス」の中から面白いものを生み出していく感覚が関係者で共有され、その中で地域や世代を越えた関係性がどんどん紡がれていくこと。

今後の課題

チャレンジを支える「資金調達」「人材獲得」「つながる場づくり」「情報発信・ブランディング」の4つの機能のうち、特に、人材獲得と情報発信・ブランディングの強化

資料URL

幸雲南塾(若者チャレンジ) http://co-unnanjyuku.com/

雲南スペシャルチャレンジ http://co-unnan.jp/special/

社会的インパクト・マネジメントの取り組みインタビュー

1、社会的インパクト・マネジメントとしてどのような取組をしていますか?

背景として、雲南市では、少子高齢化が進む現状に対し、総合戦略で「人口の社会増」を目指して、定住基盤の整備や人材の育成・確保を掲げています。また、小規模多機能自治を推進しており、全国の自治体と小規模多機能自治推進ネットワーク会議を設立し、雲南市がその代表も務めています。このような中で、雲南ソーシャルチャレンジバレー構想を立ち上げました。同構想では、インパクトとして「チャレンジの連鎖による持続可能なまちづくり」を掲げています。毎月1回、関係者が集まる全体戦略会議の場を設定し、このインパクトを現状の体制で実現できるのかということを議論し、事業の見直しをしています。

 インパクトやアウトカムをどのように定義するかということは正直悩ましいです。雲南ソーシャルチャレンジバレーには「子どもチャレンジ」「若者チャレンジ」「大人チャレンジ」「企業チャレンジ」の4つのパートあり、各パートで事例創出のためのKPIを設定しています。例えば、子どもチャレンジでは「プログラム参加者数」「雲南の課題解決に関心があると答える子どもの数」、大人チャレンジでは「プラットフォームへの参加者数」、企業チャレンジでは「起業数」「雇用数」などです。KPIはあるものの、数字ばかりを追っているというよりは、モデルケースづくりが中心にあるように思います。作った案件の1つ1つが、今後の雲南の人材づくりにおける質的なモデルになっていくものかという点について議論しています。具体例を挙げると、高校生がプレゼンに参加してくれたけれど、来年はさらに踏み込んだ内容にしてもらうためにはどうするか。起業数の目標はあるが、それ以上にもっと腹を据えてやっていける人を増やすにはどうするか、という観点での事業の見直しやアプローチの改善を行っています。

2.ロジック・モデルは作っていますか?

 ロジック・モデルを作ろうと思ったことはありますが、現時点では作っていません。インパクトは常に意識しています。ソーシャルチャレンジバレーの中で扱っている事業の範囲が広く、それぞれのパートに専門性がある中で、「こうしたらよりよい街になるだろう」ということを意識して進めています。

 関係者の中で共有されているのは「もっと面白いことになるはずだ」という漠然とした理想です。それがロジック・モデルのような形で言語化されて固まっているわけではないので、たびたびすり合わせが必要です。でも、それでよいのかもしれないとも思っています。「わくわく感」とか「カオス」の中から面白いものを生み出していくということができるのではないかと考えているからです。

 

3、多様な事業領域があり、関係者が多い中で具体的にどのようにして情報共有や意識合わせをしているのですか?

外部のファシリテーターが入って、その方が各プロジェクトの戦略を決める議論のファシリテーションをしてくれています。チャレンジの連鎖による持続可能なまちづくりという大きなテーマに対して、達成までの経路は可視化されていないものの、そこに向かって実際に進んでいるのかという問いを投げかけてくれています。また、他地域での街づくりの事例を紹介してもらうことで、様々な先例がある中で自分たちはどこを目指すのかという意識をそろえることができるので、ファシリテーターの存在は大きいです。今はこれがベストな方法だと思っています。

 一方、可視化されていないことで、事業に関わるタイミングや距離間により、取り組みにおける意識の面で差が出てしまうことには、課題感を抱いている部分でもあります。例えば、一緒に事業を動かす市役所の方でも、直接関わっていない人に理解してもらうのは難しい部分もあります。また、事業が広がっている分、担い手が足りなくなっているという実態もあります。このような状況下で関係者を広げつつ、情報共有もしっかりしていくためには、ストーリーの蓄積を見せていくということが良いかもしれません。例えば「地域のスーパーのおっちゃん」と「若手の起業家」はこういう助け合いや協力関係になっている、といったことです。

他にも企業チャレンジの部分では、市外の大企業との連携協定を結びました。それから、「地域おせっかい会議」というものが立ち上がり、そのメンバーがどんどん人をつないでいっています。取り組んでいるのは、結局のところ関係性を紡ぐことで、地域内外の関係をどれだけつないだかということが大事になってきます。

4、今後の課題や方向性について教えてください。

 雲南の生態系を支えるためには、チャレンジを支える「資金調達」「人材獲得」「つながる場づくり」「情報発信・ブランディング」の4つの機能が必要です。資金調達については、お金の循環(寄付)を通じて​応援者と実行者がつながり、​みんなでまちをつくる仕組みであるコミュニティ財団(うんなんコミュニティ財団)を設立しました。

「人材獲得」と「情報発信」はまだ十分にはできていません。人材に関して言えば、例えば、インターンがさらに自分の課題意識にもとづくチャレンジをできるようにサポートしたいです。こういった思いが、雲南の暮らしをより豊かにする事業に対し、上限200万円の補助金と利子補助などがうけられる、「雲南スペシャルチャレンジ補助金(ホープ)」事業につながっています。スペチャレ・ホープは起業家や事業者向けですが、高校生向けにスペチャレ・ジュニア、大学生向けにスペチャレ・ユースも作りました。これらを実施するために、体制の見直しも実施しています。

また、情報発信・ブランディングについても、より多くの人にこの構想に関わってもらうため、今後さらに、外に向けたわかりやすい発信をしていく必要があると感じています。まちづくりに関わるベンチャー企業にご協力いただき、情報戦略を立ててブランディングをしていこうと取り組み始めたところです。

 

 

 

インタビュー実施日: 2020年6月17日
インタビュイー  : 特定非営利活動法人おっちラボ 代表理事 小俣健三郎様
インタビュアー  : 株式会社ユニアス 山中資久、NPO法人WELgee渡辺早希、EY新日本有限責任監査法人 高木麻美

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