Social Impact Day 2020

2021年03月31日

セッション8:『社会的インパクト×行政 ~神奈川県と丸亀市による社会的インパクト・マネジメントを軸にした挑戦~』

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スピーカー:
・山口 健太郎氏(神奈川県理事(いのち・SDGs担当))
・村尾 剛志氏(丸亀市産業文化部文化課市民会館建設準備室長)

モデレーター:
・幸地 正樹(一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ 理事、ケイスリー株式会社 代表取締役 CEO)
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【セッション・サマリー(開催報告)】
本セッションでは、行政でも広がりを見せる社会的インパクト・マネジメントについて、神奈川県と香川県丸亀市が取り組む事例を紹介しながら、なぜ行政が社会的インパクト・マネジメントに取り組むのか、取り組んだことで見えてきたものは何か等を議論しました。行政関係者もちろん、行政と協働する関係者にとっても今後の展望や可能性を考える上でも大変参考になるかと思います。 

神奈川県では、地域活性化を目的としたSDGs×社会的インパクト・マネジメントを軸にしたエコシステム形成事業を2018年度から現在まで実施しており、その特徴は、①SDGs推進に活用していること、②行政外部(民間向け、特に事業者と金融の接続)に活用していること等があります。行政が社会的インパクト・マネジメントに取り組む意義として、「事業価値の見える化」、「成果を言語化することによる事業改善ポイントの明確化」およびこれらを組み合わせて「SDGs経営を実践可能」となる点を挙げ、SDGs推進に重要なツールとして位置付けていることが伝わりました。

もう一方の丸亀市は、公共文化施設の建設に向けて社会的インパクト・マネジメントを活用しており、その特徴は、①施設建設等インフラ事業の設計前から活用していること、②行政内部で活用していることが挙げられます。芸術の殿堂としての公共文化施設ではなく、市民に開かれた社会機関としての施設を目指した取組の中で、「納税者への説明責任(各種計画へ反映)」や「評価軸を結果から成果へ変更」の他、関わり方の可視化による「他分野との連携強化」や「市民の意識改革」、さらには「新たな財源確保」など社会的インパクト・マネジメント活用によって見えてきた多様な可能性をリアルに語ります。

いずれも前例のないチャレンジングな取組であり、模索しながら走り続ける両者の話しからは、今後、行政が果たす役割として、ますます社会的インパクト・マネジメント活用の重要性の高まりが期待されます。

サマリー執筆:幸地 正樹

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